令和の時代に作る、SSBジェネレ-タ−              Back   

SSBジェネレ−タ−と言うと、普通SSB送信機の、SSB発生部をさします。しかし80年代(昭和)は、フィルタ-を含め、

送受信機の機能が一体になったものを、言うようになりました。(もっと昔から言っていたような気もします。)

それで80年代は、自作を楽しんでいるOMさんが、いろいろなジェネレ−タ−回路を、CQ誌などに投稿していました。

近年は、トランシ-バ-など、自作するものではなく購入するもので、自作家と呼ばれる無線家がかなり減少してしましました。

SSBジェネレ-タ-の、製作記事など、もう何年も見ていないような気がします。

そこで、令和になったので、令和の時代にSSBジェネレ-タ-を、作ってみることとしました。

部品には、最近使われているチップパ-ツは使わないで、リ−ド線のある、昭和のパ-ツを使いました。

ジェネレ−タ−の名称は、 「GEN1130(ゲン・イチ・イチ・サン・マル)」と、読んでください。 


初めに、今回のSSBジェネレ−タ−の仕様を、書き出してみます。

a)周波数 = 9MHz  (パ−ツの変更で、他の周波数へ変換可能です。)
         入出力端子インピ−ダンス = 50オ−ム

b)モ−ド = 1)USBのみの出力 (BFO用クリスタルを変更することでLSB対応可能です)

         2)Tune (キャリアの出力できます。ただし、キャリアは、BMのバランスを崩しての発射の為
               キャリアがフィルタ−帯域内を通らないため、SSB出力よりレベルが下がります)

c)キャリアバランスをVRにて調整できます。ただし、BMへのキャリア注入レベルのほうがサプレッションに
  影響します。

d)Sメ−タ−ドライブ回路付き。 数100uAのメ−タ−、またはラジケ−タ−使用可能です。

e)マイクは、Lowインピ−ダンスのダイナミック型マイクを使用します。コンデンサ−マイクの場合
  外部にてマイクに電源を与えてください。マイクゲインは可変できます。

g)送受切り替えは、電源を切り替えています。+TRX(常時)、+TX(送信時)、+RX(受信時) すべて12Vです。


1)SSBジェネレ−タ− 「GEN1130」 回路図    クリックすると拡大します。

回路構成は、昔からあるジェネレ−タ−と、同じです。簡単に、各部の説明をします。

1)フィルタ−には、9MHzの6ポ−ル・ラダ-型フィルタ-を、使用しています。入出力インピ-ダンスは、380オ−ムです。

  ジェネレ-タ-のIF入出力部に、L型マッチングを付けて、50オ-ムの同軸ケ-ブルが、直接つなげるようになっています。

2)IF増幅回路のICには、SN76600Pと言う、聞きなれないICを使用しています。このICは、皆さんもご存知の

  LM1350Pと全く同じICです。もともとは、白黒テレビのIF増幅用ICで、SN76600Pはヨ-ロッパで

  生産された、MC1350Pの名前です。(製造した会社が違うので名前が違います)

  特性は、MC1350Pと同じです。デ−タシ−トは、MC1350Pをご覧になってください。

3)復調/変調IC には、東芝のTA7320Pを使っています。ICの中に、発振段が入っているので、これをBFO発振器に

  使い、スペ−スの省略を図っています。

  キャリアバランス用のVRを付けrてありますが、キャリアバランスはBM部へのキャリア入力レベルが、大きく

  影響します。キャリアレベルを合わせて、VRによる調整を行うようにして下さい。

4)マイクアンプ/AFアンプ/AGCアンプ/Sメ−タ−ドライブには、2個入りOPアンプを、使用しています。

  2個入りを使用したのは、スペ−スの省略です。ただし、送受の切り替え時、電源による切り替えが使えませんので、

  デジTR(SW/TR)を多用して、各部を切り分けて、送受信の切り替えを行っています。

5)AGCは、AF信号を増幅して整流後、OPアンプにて設定電圧から、AGC電圧が下がるようにしています。

  IF段1段にしかAGCをかけていませんが、フロントエンド部のIPが高く取ることにより、実用上は問題なく

  使用できます。一応、AGC取り出し端子を、用意してあります。この端子からAGC電圧を取り出し、加工後

  フロントエンドへ戻してください。(例えばプリアンプに、3SK59などを使用した場合のAGC)


2)SSBジェネレ−タ− 「GEN1130」 プリント基板   クリックすると拡大します。

SSBジェネレ−タ− 「GEN1130」 完成基板 クリックすると拡大します。

        印刷用 モノクロ表示 部品配置図  ・・・  Click

基板設計は、「PCBE」で行っています。PCBEでの設計デ−タを、UPしますので、感光基板で基板が製作できる方は、

基板を製作してください。写真の基板は、メ−カ−製で、両面スル−ホ−ル基板を、使っています。そのため、基板上での

ジャンパ−線はありません。基板を自作した方は、部品面の配線を、ジャンパ−線で行ってください。

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最近は、中国の基板製造メ−カ−が、プリント基板の製造を受けてくれます。

下記に中国のメ−カ−の例を挙げておきます。


中国メ−カ−に発注するには、ガ−バデ−タが、必要です。PCBEソフトから、発注用ガ−バダ−タが、作れます。

支払いには、カ−ドまたは、PayPalなどが使えます。

中国の基板製造メ−カ−HP : SeeedStudio(https://www.fusionpcb.jp/fusion_pcb.html)
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3)SSBジェネレ−タ− 「GEN1130」 製作デ−タのダウンロ−ド 

  製作に必要なデ−タ、調整用デ−タなどのダウンロ−ドができます。(pdfファイル)

 (1)Gen1130  製作&調整 マニュアル  ・・・  DownLoad

 (2)Gen1130  回路図           ・・・  DownLoad

 (3)Gen1130  プリント基板デ−タ(PCBE−Data)・・・DownLoad(zip)

 (4)Gen1130  部品配置図         ・・・ DownLoad

 (5)Gen1130  パ−ツリスト(個別)    ・・・ DownLoad

 (6)Gen1130  パ−ツリスト(総数)    ・・・ DownLoad

 (7)Gen1130  中国Seeed社、発注用ガ−バデ−タ ・・・DownLoad(zip)

 (8)Gen1130  Gen1130完成写真    ・・・ DownLoad


4)トランスバ−タ−部について

  Gen1130をトランシ−バ−にするためには、次の回路が必要です

  1)受信ミキサ−回路(受信周波数をIF周波数に変換する)
  2)送信機器サ−回路(IF周波数を、送信周波数にする)
   3)VFO発振回路(希望する周波数にするため) 
  4)パワ−アンプ回路(送信信号を大きくする)
  5)アンテナ切り替え回路(送受信時、アンテナを切り替える)
  6)DC電源切り替え回路(受信時、送信時、常時、電源を3つに分けます)

 a)トランスバ−タ−参考回路図(クリックすると拡大します)

 CYTEC版                      熊本シティ−スタンダ−ド版

 

上記の回路図は、トランスバ−タ−部の参考回路図です。ほかにもwebを検索すると、見つかると思います。

 b)パワ−アンプ参考回路図例(クリックすると拡大します)

  リニアアンプには、FETを使用したものを参考としてUPしました。

  電源電圧:12V時、−4dBm入力で、約3Wの出力です。

  webを検索すれば、トランジスタ−アンプなど、いろいろと見つかるでしょう。
 

 

 

 

 c)電源制御回路例(クリックすると拡大します)

  送受信時、電源を切り替える制御回路です。

  ここには、リレ−を使いますと、リレ−接点でのバタつきによるノイズが

  電源に入ります。それは、ポップノイズとして、切り替え時スピ−カ−から

  大きなノイズ音が出ます。

  今回は、なるべくノイズが混入しないようにと、トランジスタ−スイッチを

  使っています。

  同時にアンテナの切り替えリレ−を、動かしています。

      電源/アンテナ・コントロ−ル回路説明書 ・・・ DownLoad(pdf)

 d)VFO発振部

  今回は、ジェネレ−タ−の製作に関する記事なので、VFO回路の説明は省力させていただきます。

  CYTECのHPにも、いくつかのVFO回路が掲載されていますので、そちらを参考にしてください。

 e)おまけ:ポップノイズキャンセル回路

  自作のトランシ−バ−は、送受切り替え時、スピ−カ−から「ぼっつ」と言うようなの言うノイズが、出たりします。

  このノイズは、気になると気にかかります。そこで、スピ−カ−への配線を一時切り離してノイズの軽減を図る

  回路を、紹介しておきます。切り替え時、時定数によりタイムラグを、持たせています。ノイズが気にならない

  ようになるまで、で次TRのベ−スに入っている、コンデンサ−の値を調整してください。

      ポップノイズキャンセル回路説明書  ・・・ DownLoad(pdf)


          ご質問は、  cytec@cytec-kit.com   まで。