タイトル:「FRMS」のオ−ディオ帯への対応(JA6NHD/林omの投稿) File-006 Back
「FRMS」は、AF帯から20MHzまでの間の、振幅特性を測定するために、開発した物ですが、実際にオ−ディオ帯を測定してみると、
表示にリップル(ギザギザ)がかなり表示され、実用的では有りませんでした。
JA6NHD/林OMが、AD8307のデ−タシ−トを元に、この周波数帯での表示が滑らかに成るように、実験をしていただきました。
ここでは、林OMの実験結果の、報告をしてみます。
(各画像は、クリックすると大きくなります。)
1)初めにAF様対策を行っていない、「FRMS」で10Hz−5KHzまでを
スキャンしてみました。ごらんの通り、表示がギザギザに成ってしまい
測定が出来る状態では有りません。
また、出力周波数が、1KHzあたりから低い周波数に向かい、出力の
低下が見られます。これは、DCカットに使っているコンデンサ−の値が、
1uF+ 0.01uFと小さいためと思われます。
2)この回路図の赤字の部分が、「FRMS」のAF対策です。
大きく分けると、出力部と入力部の改造に成ります。
a)出力部(EL2075)
1uF+0.01uFの部分に、パラレルに33uFを付ける。今回は
タンタルコンデンサ−を使用しましたが、無ければ一般的な、電解
コンデンサ−でも動作します。(多少高周波分の損失が増えます。)
値は、33uFにこだわることはなく、なるべく大きな値の物を、使用
して下さい。(基板の裏付けに成ります。)
b)入力部(AD8307)
1)出力部と同じように、低い周波数に対応できるように、1uF+0.01uFに33uFのタンタルコンデンサ−
並列に付けました。実際には33uFのコンデンサ−が無く、実際には10uFを使用しています。
2)AD8307の、2,4番PINに1uFのチップコンデンサ−を、基板の後ろ側でア−スとの間にハンダ付け
しました。AD8307を低い周波数で使用する時には、個の部分に1uFのコンデンサ−を取り付ける
ように、デ−タシ−トに記載されています。この部分を、林OMに指摘されるまで、気が付きませんでした。
それぞれの部分の、改造の様子を、写真で紹介します。使用した「FRMS」は、幻の試作1号機です。
左図は、これらの改造をした結果、1Hz−10KHzをスキャンした結果です。
一番初めの特性図から見ると、ずいぶんと良くなっているのが、解ります。
これなら、十分測定に使用できます。
新しく成った「FRMS」で、AF帯の測定例を、いくつか見てみましょう。(画像をクリックすると大きくなります。)
(A)AF−LPF1の例 (B)AF−LPF2の例 (C)OPアンプ使用LPFの例
上記の例を見ると解りますが、オ−ディオ帯で切れの良いフィルタ−を作るのは、なかなか大変です。
OPアンプ使用の物は、「ノッチ2段付き4段チェビチェフ型LPF」ですが、特性的にはあまり良くありません。
各段の、部品の精度や増幅率による”Q”などに、バラツキが有るのでしょう。
AF帯に対応に成ったので、「PSN−タイプ送信機」のマイクアンプと、オ−ディオフィルタ−の、特性測定が
今までになく、楽しく出来るように成りました。
AF帯対応に改造した際の、注意点。
改造に当たり、AD8307からPIC16F873へ行く所にある、抵抗とコンデンサ−の値を
「100オ−ム+0.01uF}から、「1K+0.1uF」へ変更しました。このため、RF帯での
フィルタ−特性測定時のスキャンスピ−ドは、「5」以上で行って下さい。あまり早いスキャン
で測定しますと、特性図が崩れるおそれが有ります。
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